「Shopify(ショッピファイ)」とは誰でも簡単にECサイトの開設・運営ができるように自社ECカート型で使用できるサービスです。
世界各国にて利用されているShopifyはセキュリティー体制への信頼度が高くスピーディーなストア開設を実現します。
Shopifyには5つの料金プランがありますが取引数が多い大企業にはShopify plus(ショッピファイ プラス)プランをおすすめします。
今回の記事ではShopify plusプランが人気の理由やこのプランでしか利用できない機能について詳しく解説していきます。
1.Shopifyとは?
Shopifyとはインターネット上で商取引を行うECサイトの開設・運営のために提供されているサービスです。
カナダで2004年に誕生して以来瞬く間に世界中にユーザーを広げていきました。
日本での利用が開始されたのは2017年なので現在はまだ比較的新しいサービスだといえるでしょう。
しかし日本国内においてもパソコンが苦手な方でも簡単に扱える手軽さと、ユーザーがほしい機能を幅広く取り揃えている汎用性の高さが人気となっています。
日頃からオンラインストアやネットショップで買い物をしている方は多いと思いのではないでしょうか。
普段利用しているECサイトはどのようにして構築されたのかを考えてみたことはありますか。
もしかするとそのECサイトはShopifyを利用して開設・運営されているものかもしれません。
着実にユーザー数を増やしているShopifyをビジネスに活用してみませんか。
2.カート機能とは?
実店舗で顧客が代金を支払ってからスタッフが商品を引き渡すのと同様にECサイトではサイト上で注文を受けると顧客が決済を行ったことを確認してから商品を配送します。
そのためインターネット上のストアで最も重要になるのはカート機能です。
カート機能とはサービスや商品の売買契約を成立させる機能のことです。
具体的にはストアを訪れた顧客がほしいと思った商品をカートに入れ、決済方法を選択して支払います。
そうするとストア運営者のもとに受注の通知が入り商品の配送を行うのです。
このカート機能があってはじめてECサイトと呼ぶことができ、なければただのWebサイトとなります。
もしこのカート機能やその周辺のシステムがうまく動かなければストアの商品を売ることができなくなります。
また顧客の注文を受けてから実際に配送手配をするまでに時間が掛かってお待たせしてしまうこともあるでしょう。
Shopifyでは世界各国で利用される実績の高いカート機能をはじめとするさまざまな機能を連動させながら使用できます。
顧客の信頼を裏切らない安全性の高いECサイトを作成するならShopifyがおすすめです。
3.ECサイトには2種類あります
カート機能をもつECサイトには、「モール型」と「自社ECカート型」の2種類があります。
それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
Shopifyは自社ECカート型に該当します。
モール型
「モール型」のモールとはショッピングモールのようにさまざまなストアが出店している状態を表しています。
Amazonといったモール型のECサイトにはそれ自体に高い集客力があるため、商品を掲載すれば多くの人の目に触れることができるのがメリットです。
また顧客がとくにほしいものがない場合でもそのECサイトをネットサーフィンしているうちに商品と出会い購買意欲をかきたてられることもあります。
一方でデメリットは関連した商品を扱う同業他社がいることが多いことです。
サイト内で価格順や口コミ数順に並べて比べられることがよくあります。
またモールの管理者がルールを設定するため通常は手数料が発生しますし急な対応が必要になる事例もあります。
自社ECカート型
「自社ECカート型」はモール型と違い一つのECサイトに一つのストアしかない状態です。
そのためメリットとして挙げられるのは、そのサイトを訪れた顧客はサイト内で比較することなくそのショップの商品だけを見てくれることです。
自社ECカート型では顧客に会員登録を促すことによってマーケティングに役立つ顧客情報の収集や分析を行い、販売拡大に繋げられます。
一方でデメリットとしてはECサイトを開設しただけではそのストアの存在が人目につくことはほとんどなく集客力が期待できません。
そのためブランドイメージに合わせたサイトのデザインにこだわることやインターネット上で広告やプロモーションをするなどの工夫が必要となります。
4.自社ECカート型にはさらに3種類あります
Shopifyは自社ECカート型に当たりますが自社ECカート型の中にもさらに「フルスクラッチカート」「パッケージ・オープンソースカート」「ASPカート」の3種類があります。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
Shopifyは最後のASPカートに該当します。
フルスクラッチカート
「フルスクラッチカート」とはECサイトをゼロから立ち上げることをいいます。
フルスクラッチカートなら初期設定からすべてにわたって携わることができます。
極めて自由度が高いのが魅力ではあるもののすべてのプログラム開発から考えなくてはならず、そのためには先だって莫大な時間や費用が必要です。
ECサイトの開設・運営に慣れていて時間や費用を惜しまない方や企業であればフルスクラッチカートでの自社ECサイトを作成するのもいいかもしれません。
パッケージ・オープンソースカート
「パッケージ・オープンソースカート」とは基本的な部分ができあがっているパッケージ型のソフト、もしくは誰でも利用することが認められているオープンソース型のシステムを導入してカート機能のある自社ECサイトを作成することをいいます。
しかし実際には基本的な部分だけではそのストアには必要な機能が足りないことが多いのでその都度資金を投入してカスタマイズを行わなければいけません。
また世の中の便利なサービスはどんどん移り変わっていくのでECサイトを運営している途中で追加したいと思う機能が出てくることがほとんどです。
そのため一度ECサイトを作成したら運用だけをすればよいのではなく、定期的な機能や内容の見直しが欠かせません。
ASPカート
「ASPカート」とは「SaaSカート」とも呼ばれます。
月額料金を支払うことで、はじめからさまざまな機能を取り揃えたECサイトを利用できるものです。
ASPカートというとすべてが設定済みでカスタマイズの余地がないのではないかと思う方がいるかもしれません。
しかし以前よりもサイトのデザインや必要な機能の選択が可能なものが増えています。
ECサイトでは自由自在なカスタマイズができるものが多いので一見しただけでは同じASPカートを利用しているとはわからないこともあります。
またポイントとなるのはサイトの改善やバージョンアップはカートの大元が行ってくれるということです。
そのため手間を掛けずにいつでも新しい機能が揃っているASPカートを利用できます。
5.Shopifyの他カートとの優位性とは?
ShopifyではそのECサイトにアクセスすると自分の商品しかない自社ECカート型のサービスです。
その中でもASPカートが提供されたツールなので月額料金は必要になりますが汎用性の高い多彩な機能をはじめから利用することが可能です。
サイトのデザインについては無料のテンプレートを利用するほか、こだわる方には商品や企業のテーマにもとづいて細部にいたるまで大きくデザインを変更することができます。
ASPカートのShopifyならECサイトでストアを構えたいと思った時に最短で1日~2日で商品の公開を始められます。
これはフルスクラッチカートやパッケージ・オープンソースカートでは考えられないスピード感です。
プログラミングに詳しくない方でも選択していくだけで自分だけのECサイトの開設が可能です。
また世界中で利用されていることからもわかるように万全のセキュリティー体制が整っているため安心して導入できます。
6.Shopifyの料金プランとは?
Shopifyには5つの料金プランがあります。
基本となるのは「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つ。
ベーシックプランは初めてECサイトを開設する方にぴったりで、月額29米ドルです。
スタンダードプランは実店舗だけでなくECサイトという販売チャネルに挑戦したい方や人気急上昇中のストアを運営している方におすすめで、月額79米ドル。
プレミアムプランは大規模なビジネスを展開されている方やマーケティングに活用する情報がほしい方向けで、月額299米ドルです。
この3つのプランの違いとして注意したいのは手数料についてです。
Shopifyで必要となる費用には月額料金の他に「取引手数料」「クレジットカード手数料」「両替手数料」があります。
よりグレードの高いプランにすると各種手数料を抑えられるでしょう。
ストア上での取引数が多いほど手数料も発生するので月額料金の差と取引数のバランスを考えてプランを選ぶ必要があります。
3つのプランの他に「Shopifyライト」と「Shopify plus」の2つがあります。
Shopifyライトプランは既存のWebサイトにカート機能を追加したい方向けで、料金が最も低い月額9米ドルで利用できます。
Shopify plusプランは取引の多いストアや大きな企業におすすめで、月額2,000米ドルとなっています。
7.Shopify plusの人気の理由とは?
5つある料金プランの中で人気が高まっているのはShopify plusプランです。
誰もが一度は耳にしたことがあるような世界中の名立たる10,000以上のブランドがこのShopify plusプランを利用しています。
固定費となる月額料金が2,000米ドルという最も価格の高いプランとはなりますが毎日多額で件数が膨大な取引を行う大企業は、Shopify plusをおすすめします。
Shopify plusが人気である代表的な理由は「特別なインフラが整備されている」「世界を相手にしたビジネスができる」「優先サポートを受けられる」の3つです。
特別なインフラが整備されている
Shopify plusではそのストアにたくさんの人が訪れて一度に注文した時の対策としてスムーズに受け付けられる徹底的なインフラ整備が行われています。
Shopifyでは1分間に1万件以上もの決算処理を行うことができるインフラ環境があります。
1秒に換算すると166件以上もの決算処理が可能なため同時に大量かつ複雑な注文を受けることを前提にした事業展開に役立つでしょう。
世界を相手にしたビジネスができる
日本国内だけでなくグローバルなビジネスをしたいという方にShopify plusはおすすめです。
複数の言語や通貨に対応しているので越境ECとして利用することができます。
ただしサポートサイトなどの情報はすべて英語で記載されています。
しかしグローバルなビジネス展開を希望されている方なら英語が堪能なはずなのであまり業務の支障にはならないのではないでしょうか。
また世界各国に支店がある会社にとっては海外の支社との連携が取りやすく使い勝手がよいでしょう。
優先サポートが受けられる
Shopify plusに加入している方は問い合わせ相談をすると専用のサポートを優先的に受けられます。
たくさんの機能がある中でどの機能が自分のストアに最適なのかを選べばよいのかを判断するのはとても難しいことです。
しかしShopify plusに加入していればShopifyのあらゆる機能を知り尽くしたプロフェッショナルなスタッフによる支援を受けられます。
サポートではより集客力が期待できるサイトの運営や売上アップにつながるアドバイスを取得でき、ビジネスに生かせるでしょう。
8.Shopify plusプランでしか利用できない機能とは?
Shopify plusはコストがかかりますが、このプランでしか利用できない機能が豊富にあります。
これらの機能を利用できるのであれば月額料金が高くてもコストパフォーマンスがよいといえるのではないかと思える機能をご紹介するので、参考にしていただければと思います。
スタッフアカウントが無制限に
Shopify plusではスタッフアカウントが無制限になります。
スタッフアカウントとはストアにアクセスできるアカウントのことでベーシックプランではたったの2アカウント、プレミアムプランでも15アカウントまでです。
しかしShopify plusであれば無制限のアカウントをスタッフアカウントとして登録可能です。
取引数の多いストアはその分商品に携わるスタッフの数も多くなります。
それぞれがストアの運営に携わるアカウントをもてるので商品の受注や在庫管理が円滑化します。
10ストアまで開設できる
Shopify plusでは追加料金なしで同一ブランドにて10までのストア開設が可能です。
企業はある商品だけを扱っているということは少なく一般の顧客用と同業者への卸売用を扱っていることがほとんどです。
またまったく別の分野の商品やサービスの提供を行っていることも珍しくありません。
それぞれに合わせたサイトイメージを打ち出したストアや卸売用の専門用語を使用して詳細情報を付加したストア、海外向けのさまざまな言語に対応しているストアなどShopify plusでは複数のストア開設ができます。
チェックアウトページをカスタマイズできる
Shopify plusではチェックアウトページをカスタマイズできます。
「チェックアウトページ」とは顧客がカートに商品を入れた次のページから注文が完了するまでのページのことです。
顧客は注文が完了するまでの間に画面を見て金額や注文内容の確認や必要事項の入力を行いますが、わかりにくさや不信感が伴うと途中で注文をやめてしまう可能性があります。
Shopify plusではチェックアウトページにそのストアのロゴや画像を入れるなどしてブランドイメージを維持したままシンプルでわかりやすいページにするために文字の大きさや色などをカスタマイズできます。
スクリプトエディターが利用できる
Shopify plusでは「Shopify Scripts Editor」を利用できます。
これを利用することで「項目」「配送」「決済」におけるスクリプトのカスタマイズが可能となります。
項目スクリプトではセールを開催する時に全体的に一定割合を割引するだけでなく1個購入するともう1個無料でつける、2個目からは10%ディスカウントするなどの商品価格の設定方法が可能です。
配送スクリプトでは配送方法に応じてディスカウントが適用されるなどの設定ができます。
決済スクリプトでは支払いの場面において決済サービスの名前変更や非表示などの設定が可能です。
9.まとめ
Shopifyはパソコンが苦手な方でも簡単に扱える手軽さとユーザーがほしい機能を幅広く取り揃えている汎用性の高さが人気となっているECサイト開設・運営のためのサービスです。
ECサイトにはカート機能が欠かせませんがShopifyは自社ECカート型のASPカートを利用したサービスでさまざまな機能を取り揃えたECサイトをすぐに開設できるのが魅力です。
Shopifyには5つの料金プランがあります。
取引量が多くグローバルなビジネス展開を希望しているならその中でも「Shopify plus」というプランを選ぶことをおすすめします。
インフラ整備が整っているほか優先サポートを受けることができビジネスの心強い味方となるでしょう。
Shopify plusではこのプランでしか利用できない機能が盛りだくさんです。
他のプランと比較すると月額料金は最も高いものの使い方次第ではコストパフォーマンスがよいプランだといえるでしょう。
一度プランを選択した後でもプラン変更は可能ですのでその都度ビジネスの規模に応じてプランを検討してよりよいビジネスにつなげていっていただければと思います。