2020年からの新型コロナウイルス感染拡大を受けてテレワークが推奨されています。
ひとつの勤務先に大人数が集まることに対する衛生的なリスクを避けるためです。
これを機にテレワークを推進したい中小企業経営者や個人事業主もいるでしょう。
2020年からテレワーク推進のため中小企業生産性革命推進事業のひとつである「IT導入補助金」に特別枠ができました。
パソコンやタブレットの購入でも補助金や助成金の対象になります。
詳細を知りたい人のために、制度内容や利用方法を詳しくまとめました。
1.2020年度からのIT導入補助金はパソコン購入も対象になるのか?
2020年よりIT導入補助金の制度が大きく変わり特別枠ができました。
こちらではパソコン購入でも一定条件を満たせばサポート対象になります。
制度の詳細を知りつつ正しいルールに則って準備を進めましょう。
本記事では「IT導入補助金」に関する情報を記載しております。
「IT導入補助金」とは経済産業省の管轄する補助金制度のことで、ソフトウェアやハードウェア導入・活用を目的とした補助金です。
コロナの影響を受けテレワークを導入する中小企業や小規模事業者に対しての特別枠なども設けられました。
2020年度から特別枠の補助金でハードウェアレンタル費用が対象に
2020年度からIT補助金に特別枠が生まれパソコンやタブレットのようなハードウェア関係でも支援を受けられるようになりました。
特別枠の増加で国からの支援を受けやすくなっています。
ポイントは特別枠の追加・公募前のレンタル費用で支援を受けられる可能性です。
補助金の範囲や年ごとに変わる内容も見ていきましょう。
2020年度はIT補助金に特別枠が生まれました。
従来はA・Bの2類型がありましたが「低感染リスク型ビジネス枠」としてC類型、非対面化を推進するITツールが関係したD類型が加わり4つに増えています。
C類型は非対面による情報連携で業務の効率アップを狙う事業に向いています。
ネットショップ・サービスや従業員のテレワーク環境整備のために必要な機材投資をする企業が対象です。
D類型は複数のやり方で非対面コミュニケーションを実現するITツール導入に合っています。
ZoomのようなWeb会議やチャットワーク・Slackのようなビジネスコミュニケーションツールなどを組み込む企業が対象になりやすいでしょう。
IT補助金に特別枠が生まれたことでデジタルツールの導入に対するサポートを受けやすくなっています。
パソコンやタブレットのようなハードウェアのレンタル費用でも補助金の対象になります。
コストの高さに気がひけていた人でも補助金の力で経営を楽にできるでしょう。
申請期限はレンタル開始から1年までです。
ハードウェアレンタルのみの場合や購入費用の補助は受けられません。
一定の条件はありますがITツールのレンタル費用まで助けてもらえるのはうれしいところです。
IT補助金の特別枠では公募前に購入したITツールの経費も対象に入ります。
従来の補助金制度では交付決定前の経費のサポートは受けられませんでした。
しかし特別枠での補助を認められれば事前に買ったパソコンやタブレットなどのコストもカバーできます。
特別枠の2021年度は1月8日以降に購入したものなら細かい時期を問わずITツール購入に関する補助を受けられます。
テレワーク体制を整えれば国からの援助で経費削減につなげられるでしょう。
類型により補助金のシステムも異なります。
C類型に入った場合、最大補助金額は30~450万円、補助率は3分の2までです。
ITツール導入・パソコンレンタル費用などのコストに対して半分以上を助けてもらえます。
D類型だと最大補助率は3分の2で変わりませんが、金額は30~150万円です。
C類型よりも条件的には不利でしょう。
それでも自身が当てはまる類型に応じて起業資金を決めるのが賢明です。
補助金も含めて無理なく会社を運営しましょう。
2020年度と2021年度では補助金特別枠の内容が異なります。
最大補助率は2020年度は3分の2だけでなく、条件によっては4分の3もありえました。
しかし2021年度は一律3分の2です。
他にも補助内容など微妙な条件の変化があります。
補助金制度は1年ごとに内容が変わる可能性があるので年度末が近くなったら見直しましょう。
特別枠の利用条件と通常枠との違い
同じIT補助金でも特別枠は通常枠と性質が異なります。
特別枠ならではの申請条件は3つです。
加えて従来との違いを見ていきましょう。
2020年度から始まっている新類型のIT補助金には、3つの申請条件があります。「サプライチェーン毀損への対応」「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」です。
サプライチェーンの毀損とは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて部品調達が困難になり「お客さんや取引先に必要なものを届けられない状況」です。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために休業をすると対面でのサービスができません。
同様の理由で工場を閉鎖すると製造が止まるので部品調達のスケジュールに影響を与えます。
毀損対応とは感染リスクを高めない状況でお客さんにサービスを届けるため「新しい設備や商品を作ること」です。
調達できなかった部品を会社内で作ったり「巣ごもり需要」のような新しい顧客開拓のためのサービスを作ることが挙がります。
非対面型ビジネスモデルもIT補助金を受けるうえで重要です。
パソコンやスマートフォンを使った遠隔でのサービス提供なら外出自粛中のお客さんとのコミュニケーションも可能です。
たとえば店舗だけで売っていた商品をネットでも販売開始することがあてはまります。
新しい家に引っ越す人のためにVRでショールームを見せるサービスも典型例でしょう。
オンラインを使った非対面型サービスの構築にも国は積極的にサポートしてくれます。
テレワーク環境の充実によってIT補助金を認められることがあります。
従業員が自宅でも仕事を進めたり上司や同僚とコミュニケーションを取ったりするのに重要です。
代表例はチャットワークやSlackなどのWebでのビジネスチャット・Zoomなどを使ったビデオ会議システムになります。
テレワーク用のパソコンやタブレット調達にはまとまったお金が必要です。
しかしIT補助金交付が決まれば経費削減で乗り切れるでしょう。
2020年度から登場したIT補助金の特別枠は通常枠と補助金額や補助率の範囲で異なります。
金額範囲で見るとA類型が30~150万円、B類型が150~450万円で補助率はともに2分の1です。
特別枠はC類型が30~450万円、D類型は30~150万円と広いのですが、補助率が最大3分の2と上がっています。
特別枠での補助を受けられると従来のケースよりもアドバンテージが大きくなります。
経営面の負担を和らげたい事業者にとって追い風になるでしょう。
2.申請に要する準備と注意点は?
申請時は大切なルールを見落とさないように気をつけましょう。
準備に必須なものや注意点によく目を通してください。
IT補助金の申請を決めたら資格や条件を公式サイトで確認しましょう。
補助を受けられるツールの種類も要チェックです。
自身が導入したい機器が対象外だと審査に通りません。
電子申請を要するのでGビズIDプライムアカウントをあらかじめ取得しましょう。
IT導入支援事業者を探すことも大切です。
補助金の公式サイトで検索できます。
国から大切なお金をもらうので慎重な手続きが重要です。
IT補助金で注意すべきポイントはホームページのリニューアルや内容変更は対象外であることです。
サイト自体はすでに導入済みで内容変更やコンテンツ追加のような編集作業をするだけでは、国からのサポートを認めてもらえません。
事前にドメインだけを取っていてもECサイト構築に必要な残り作業によっては補助対象になる場合とそうでない場合があります。
年度ごとに制度の詳細が変わるので公募要領によく目を通しておきましょう。
自身が導入したいツールや希望の作業内容がどこまで補助対象にあてはまるかはIT補助金公式サイトの発表を見ないとわかりません。
テレワーク体制構築におすすめ!パソコンレンタルで受けられる補助金制度
テレワークの体制を構築するうえでIT補助金以外の支援制度に目を向けてみましょう。
パソコン購入(レンタル)で受けられる補助金や助成金制度に関する情報をひととおり集めるのが理想です。
補助金制度にはIT導入補助金に加え「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」などの種類もあります。
たとえば小規模事業者持続化補助金はサイト運用や広告もが対象となります。
一般枠上限は50万円・補助率3分の2ですが、2021年度は低感染リスクビジネス枠が新設され100万円まで拡大します。
この新設枠補助率は最大4分の3と魅力的です。
ただしIT補助金と違って申請書作成が必要です。
ちなみに士業や業者に依頼する場合は手数料として税抜10~15万円が相場となります。
このように有事で緊急的に導入された給付金が経営を助けることがあるのもポイントです。
3.まとめ
IT補助金はパソコンレンタルだけでも対象になります。
2020年度の補助金特別枠での交付を認められれば、ハードウェア導入だけでも経費サポートを受けられるからです。
テレワークや非対面サービスの充実が申請で伝われば経営を有利に進められるでしょう。
これから補助金の申請を考えているなら、制度の内容を慎重にチェックし、協力事業者に助けてもらいながら準備を進めてください。