こんにちは、adtecです。
Instagramの運用&ソフト提供会社がリアルな情報を公開します。
企業が苦手とするSNS。
ましてやその担当者は知識や実績を求められます。
ビジネスアカウントならではの考え方、活用方法を初心者でもわかるように詳しく解説していきます。
何もわからない状態からでも行動の目安は立てやすくなるはずです。
1.Instagramの動向
Instagramは国内アカウント数が3,300万。
デイリーアクティブ70%と言われ日本人にとっても一般的なアプリとなってきました。
ちなみに企業アカウントは1,400万あり、積極的に活用していることが伺えます。
少し歴史を振り返りますとアプリのリリースは古く2010年、実際に日本語版で使いやすくなったのが2014年になります。
ここから日本で普及し始め、いわゆる「映(ば)える」という言葉を聞くようになったのがこの頃です(実際に流行語になったのは2017年)。
この頃から写真映えする画像を求め女性が競い合うように写真をアップしていきます。
2015年になるとInstagram用の広告も開始され徐々に企業の活用も発生していきました。
ユーザー層は20代中心だったものが今や30~40代も増えてきており、老若男女に使われ始めたことで、メディアとして成長していきます。
2017年にショッピング機能が追加されたことによって、商品の検索から購入まで、Instagram内で完結できるようになりました。
Instagramはシェア機能がないため拡散性は弱い
少し訂正が必要ですが正確には「シェアしにくい」になります。
TwitterのリツイートやFacebookのシェアのようにボタン1つで自分の友だちに共有を行いたいところですが、Instagramの場合は自分の投稿に追加、いわゆるストーリーズに追加しないとシェアされません(投稿画面の画像下にある紙飛行機のマークですね)。
Instagramではシェアすることをリポストと呼びますがタイムライン等に表示したい場合は、投稿としてシェアというボタンを押さなければなりません(結構面倒です)。
このような特徴を持つことから拡散力を期待するというよりは“情報収集ツール”として使われている点を考慮する必要があります。
ストーリーズ機能とは
Instagramで通常投稿することをフィード投稿と呼びます。
自分の世界観を表す部分、いわゆる旅先での1枚、おいしそうな料理、など、写真+テキストコメントがあるのを見かけると思います。
これがフィード投稿です。
対してストーリーズは24時間限定で掲載できる別枠の投稿になります。
よく使うやり方として写真を加工して表現しているイメージです。
コメントも画像内に一言くらいでだけでシンプルなものが多いです。
24時間で消えるものなのですが、国内1日あたり700万件を超えるストーリーズ投稿がシェアされているから驚きです。
2.企業はなぜInstagramを活用するのか
一番の動機はInstagramを見て行動を起こすユーザーが増えたことです。
写真というよりリアルな体験を投稿・閲覧できるInstagramは、情報があふれるWEBの中でも伝わりやすく、また見ていて楽しいものです。
そうした要因からご存じの通り「物を知るためにハッシュタグで検索するようになった」「写真を見て来店のきっかけになった」など企業や店舗につながるきっかけとなっています。
そうした場所が無料で使用できることを考えると、やらない手はありません。
ましてgoogleの検索アルゴリズムとは異なるので違ったチャンスが生まれます。
そうした要因が企業アカウントが1,400万と多い理由になっています。
世界観が伝わりやすい
Instagramはテキストの部分よりも視覚的部分(画像・動画)の面が多く、写真をアピールしやすい・リアル・分かりやすい点が挙げられます。
企業が打ち出したい世界観を伝えるにはInstagramはピッタリのツールと言えるでしょう。
特にファッション業界においては色や形をそのまま訴求できる点から活用事例が多く、勉強になる店舗が多いのではないでしょうか(投稿数投稿2,475万件2020年10月)。
次によく使われているのは食品業界です。
シズル感を訴求できる点では親和性が高いと言えます。
有名なのはフォロワー数15万人のコカ・コーラさんです。
写真は統一感がありつつ、季節イベントに合わせたデザインで打ち出している様はSNSマーケティングの王道だと感じます。
ファッションカテゴリが活用するショッピング機能
この機能は「ショップナウ(Shop Now)」と呼ばれ、投稿毎にURLリンクの設置ができる機能です。
例えばユーザーが気に入ったワンピースの投稿で詳細ページを見るとURLが表示されていて、ECサイトに遷移することができる仕組みです。
これを行うためにはECサイトを持っていること、加えてビジネス活用の確認が必要なのでInstagramとFacebookのビジネスプロフィールが一致していることが条件となります。
ユーザーの興味や購買意欲が高い状態でサイトに誘導し、より情報を拡張、そして購入までできるためこの機能は大いに活用すべきです。
このようにInstagramは企業の世界観だけでなく、実際に商品購入を促す機能を備えているところも、企業がビジネスで活用する理由となっています。
3.Instagramを運用する前に
担当者の設置
企業によって新規事業を行うためにはメンバーを選定します。
これと一緒でInstagram担当者を決めましょう。
よくSNS運用はWEB担当者が兼任することが多いですが、Instagramはクリエイティブの面が強いため、どちらかと言うとコンテンツ担当者がおすすめです。
戦略の骨子はマーケターがコンテンツ担当者に落とし込み、投稿内容をすり合わせて配信していくようなイメージです。
よくある相談
- 運用負担を分担するため、社内で配信担当を交代して行い、結果打ち出す内容がバラバラになり社内広報にしかならなかった。
- WEB担当者が片手間で企画内容しか発信できず、結果ホームページのコンテンツの一部にしかならなかった。
アカウントの見せ方を決める
前段でお話ししましたように、見せ方、いわゆるテーマやコンセプトはとても重要です。
運用者の投稿がブレてしまうと「何を発信したいアカウントか分からなくなってしまう」からです。
それは物販であれ、情報商材でも同じです。
ユーザーにとってそのアカウントをフォローする魅力は何なのか。
面白さ・美しい・役に立つなど一貫した姿勢というものが必要です。
人の心を動かし行動させるためにはしっかりとした主張が分かりやすく受け入れやすいです。
よくある相談
- 店舗数が複数ある企業で各々店舗でInstagramが運用されており、ブランドとしてのコンセプトが見えにくくなった。
- ただ商品の写真を上げているだけで、「ヒトケ」が全くない商品の物撮り状態。フォローも少なく何かが足りない気がする。
- Instagramを運用しているけど効果がよくわからない。
成果のゴールを決める
ゴールや途中経過の目標を定めておいた方が反省することができ次につながります。
冒頭に「ブレてはだめ」という言い方をしましたが、目的が変わればブレてもいいと思います。
意味もなくブレるのは「この配信は何のために行っているのか」が見えなくなった時がほとんどです。
ゴールがあることで、配信する意味、そして自分がゴールに向かっている時、今どこを走っているのかを把握することができ各段にやりやすくなるでしょう。
ゴール例
大きくはInstagram経由での自社ページ流入数やエンゲージメント数になります。
Instagramコメント数・フォロワー数・いいね数は分かりやすい指標です。
物販として直接結びつくのはホームページの流入数ですが、質の高い流入を得るためにはエンゲージメント数が良い指標になります。
特殊なゴール例としては反応の良い写真:コンテンツをチェックするものに使います。
とある食品会社がInstagramを運用していて「子供のお弁当」のエンゲージメントがよく、顧客に聞いてみると実は商品はお弁当に使われているケースがほとんどだったそうです。
そこから他のWEB広告の打ち出し方もお弁当にすることで成約率が120%伸びました。
こうしたクリエイティブ探しとして活用している企業もあります。
ターゲットを決める
コンセプトが決まっていてもターゲットがブレたら異なる結果となってしまいます。
商品をアピールするにしても男性よりなのか、女性よりなのか。年は何歳なのか。
つまり発信し届けたい人はどういった人物像(ペルソナ)なのかを明確にしておくと、より投稿内容が伝わりやすくなります。
ポップなのかシックなのかのデザインもこのターゲットで絞られてくると思います。
ファッションカテゴリの例としてターゲットを女性60%、ユニセックス30%、男性10%としっかりと決めて運用している企業もあります。
この割合での反応率は全く異なっていたため、以降運用の黄金比率となったようです。
これは必然なのですが、ターゲットが好む配信を行うことで、当然ターゲットに近い人にフォローされ、エンゲージメントも高まります。
パーソナルな発信ほど相手の心に届きますので、こうした“必然”をたくさん作ることで反応は各段によくなります。
4.Instagramの活用事例
Instagramの機能を理解することでホームページにはできない効率的な活用ができます。
検索を上手く利用する
例えば「夏服」というキーワードでGoogleの検索順位で上位を獲得できたり、指名検索があるようなブランド力であれば勝手にユーザーがホームページに流入しますが、なかなかできるものではありません。
しかしハッシュタグの世界では「#夏服」とするだけで目に留まる可能性があります。
季節によって積極的に打ち出すことで目に留まる可能性があります。
Instagramはこうした取り組みを無料で掲載できるため、普段多くの広告費用を使用して露出を行っている企業からすればやらない手はありません。
気を付けなければならないことは宣伝ばかりが強い投稿だとユーザーも嫌気がさします。
ユーザーはあくまでもその投稿の写真であったり世界観が好きで見ているだけなので、決して購入する気になっているとは限りません。
InstagramはあくまでもSNS。
そう、コミュニケーションツールであることを絶対に忘れてはいけません。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。
Instagramをビジネスで運用する上での現在の傾向と機能、そして取り組む前にすべき項目をまとめてみました。
通販企業やリアル店舗はそれぞれ特色のある個性やブランドを持っています。
実は何気なく飾っていることがブランドだったりするのです。
発信をしなければユーザーはその企業の良い部分を一生気づかないままでいるかもしれません。
Instagramのビジネス運用とはある意味、自社の良い所を見直す作業ではないかと思っています。
長くなりましたがInstagramを活用している企業、またこれから活用しようとしている企業のお役立てできればと思い書かせていただきました。
それではまた。