持続化補助金
2021.04.28

コロナで注目が集まる小規模事業者持続化補助金とは?必要書類の書き方や日本商工会議所への申請方法をご紹介します

小規模事業者持続化補助金とは?

「小規模事業者持続化補助金」とはどんな内容で対象者は誰なのか、どのくらいの金額をもらえるのかご存知でしょうか。小規模事業者持続化補助金は個人事業主や中小企業にとっては見逃せない補助金のひとつです。今回は対象となる小規模事業とはどのようなものか補助金申請の必要書類や申請方法などの詳細をご紹介します。






■小規模事業者持続化補助金とは?


新型コロナウイルスの流行によってさまざまなニュースで取り上げられているように売上が落ち込む個人事業主や中小企業などの小規模事業者が増加しました。そのため「小規模事業者持続化補助金」に注目が集まっています。しかしこの小規模事業者持続化補助金の第1回の公募が行われたのは、新型コロナウイルスが流行するさらに前の2014年です。


ゆるぎない経済基盤をもつ大企業と比較すると、小規模事業者は今回の新型コロナウイルスの流行のような外的要因で経営の根底がぐらついてしまうところも少なくありません。しかしその地域の雇用を生み出したり地域の伝統産業を守ったりしている小規模事業者がいることも確かです。


小規模事業の経営者は会社を存続させるのはもちろんのこと、安定した売上をもとに毎月従業員に給与を支払っていかなければいけません。その一方で近年では社会全体の働き方改革が行われているため従業員の労働環境の整備やそれに伴う業務の効率化も同時に取り組む必要があります。


小規模事業者は実績もそれぞれで決して日本経済の中心的存在ではありません。しかし中小企業ともいうべき小規模事業者がいるからこそ日本経済が成り立っているのも事実です。これから先も日本経済を力強く支えていくであろう小規模事業者を支援できるような取組みのひとつとして「小規模事業者持続化補助金」は生まれたのです。


「どうすれば採択されるの?」「どう取組めば良いか分からない」「締切はいつまで?」などの疑問点は尽きないですが、下記の記事をご覧になってしっかり解消していっていただきたい。


小規模事業者とは?


小規模事業者の定義とはどのようなものなのでしょうか。その定義は商工会・商工会議所の法律に定められています。ポイントとなる条件は業種と常時使用する従業員の数です。

まず宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業については常時使用する従業員の数が5人までであれば小規模事業者として認められます。次にサービス業の中でも宿泊業と娯楽業、そして製造業やその他の業種については常時使用する従業員の数が20人までなら小規模事業者の適用となります。


注意したい点は、会社役員や休業中の従業員は常時使用する従業員の数には入らないことです。また個人事業主本人や個人事業主と同居している親族が従業員として働いている場合も数に入れなくて構いません。


法人の形態によっては小規模事業者持続化補助金の対象外になります。一例を挙げると協同組合・社団法人・医療法人・宗教法人などはすべて対象外です。小規模事業者持続化補助金を検討する前に企業の形態・業種・常時使用する従業員の数が対象の範囲になっているかどうかを確認することをおすすめします。



補助対象事業とは?


小規模事業者持続化補助金の対象である企業だとしても補助対象事業を行っていなければ補助金を受け取ることはできません。補助対象事業とはどのようなものなのでしょうか。

補助対象となるのは販路開拓や生産性の向上・業務の効率化に関係する事業です。また補助金申請の時に経営計画を提出しなければいけませんがその経営計画に沿った事業であることが要件となります。補助金申請には複数の企業で共同申請することも可能です。そのケースでは補助事業についても共同申請した複数の企業がすべて連携しながら参画している必要があります。


販路開拓のためには顧客の視点に立ってビジネスモデルを考えることが必要となります。


飲食業や小売業の場合、目玉となるような新たなメニューや新製品を提供できるように開発するのもいいでしょうし、あわせて顧客が店内で気持ちよく過ごせるように陳列の見直しや案内する導線をスムーズにするなどの店内のリニューアルを検討してはいかがでしょうか。リニューアルすれば、同時に従業員にとっても働きやすい環境になります。


顧客の興味を引きそうな広告を打つのもひとつの方法です。広告といっても必ずしもチラシや情報誌への掲載といった紙媒体にこだわる必要はありません。目を引く写真を入れる・キャッチーなフレーズを考えるなどSNSに工夫して投稿すれば少ない費用で高い費用対効果を得られる可能性があります。展示会に自社製品を出展したことがない企業は宣伝や他企業のリサーチも兼ねて出展してみてはいかがでしょうか。


またおうち時間が増えているため、この機会にインターネットを活用して市場を全国に広げられるように通販サイトを設立してはいかがでしょうか。ご自身で自社のホームページや通販サイトを作るのはなかなか難しいものです。企業コンサルタントやwebクリエイターなどに相談すれば販路開拓に向けて希望通りの準備が整います。生産性の向上や業務の効率化についても専門家に相談するとよいでしょう。



■小規模事業者持続化補助金の必要書類や申請方法とは?


小規模事業者持続化補助金はどのようにして申請すればよいのでしょうか。一度申請したことがある方もいらっしゃるかもしれませんが必要となる書類が変更・更新されている可能性があります。公募要領をよく読んで様式に合う必要書類を準備しましょう。


まず取り掛かるべきなのは経営計画書兼補助事業計画書。正式には「小規模事業者持続化補助金事業にかかわる申請書」の作成です。小規模事業者持続化補助金は、申請すれば必ず受け取れるものではありません。書き方で重要なのは書類を読み審査する人にとって情報が整理されて主旨が分かりやすいだけでなく、現在の状況が数字を踏まえて説明されていることと、一貫性のある実現可能な具体的な計画が明示されていることです。


小規模事業者持続化補助金事業にかかわる申請書を記入して作成できたら、この時点で地域の商工会議所に持参して募集要件を満たしているかを確認してもらうとよいでしょう。締切り間際になると問い合わせが増えるため商工会議所の受付の方は多忙を極めています。そのため締切り間際に慌てて書類を作成しても見てもらえない可能性がありますので日程に余裕を持ち、できればアポを取って行くことをおすすめします。


確認してもらえたら「小規模事業者持続化補助金事業にかかわる申請書」の他に「直近決算書の一部(貸借対照表・損益計算書)」「支援機関確認書」「CD-RやUSBなどの電子媒体」を用意しましょう。


個人事業主は「直近の確定申告書」「現在事項全部証明書もしくは履歴事項全部証明書」「直近の法人税確定申告書を一期分」を用意し、日本商工会議所に締め切り日までに郵送します。


事業支援計画書は自分で用意するのでなく地域の商工会議所の方に依頼すると発行してもらうことができます。不明点がある時は、商工会議所の方に問合わせると安心です。



小規模事業者持続化補助金はいつ受け取れるの?


日本商工会議所では提出した申請書類をもとに審査を行いその小規模事業者に補助金を交付するかどうかを決定します。補助金の交付が認定されたら「小規模事業者持続化補助金交付決定通知書」が届きます。しかし補助金が受け取れるのはこのタイミングではありません。


交付決定通知書を受け取ったら経営計画書に基づいた販路開拓や生産性向上、業務の効率化に向けた取り組みを実施しましょう。交付決定通知書を受ける前に実施した取り組みについては補助金の対象外になります。


取り組みについては交付決定通知書を受け取った日付から対象期間が終了するまでの間に行う必要があります。また取り組みのために購入した物やサービスの経費の支払いについても期間内に完了させなければいけません。


その後決められた期限までに日本商工会議所に「実績報告書」を提出します。実績報告書を確認して問題がないと判断されたらここでようやく補助金が支払われます。一般枠での小規模事業者持続化補助金は、実際に支払った金額すべてが補助されるのではありません。支払った金額の3分の2が補助されなおかつ上限額は50万円となっています。つまり50万円を超える金額については自己負担となるのです。


また感染症の拡大を防止するために導入したシステム等に対する低感染リスク型ビジネス枠での小規模事業者持続化補助金では、実際に支払った金額の4分の3が補助され、なおかつ上限額は100万円となっています。一般枠と低感染リスク型ビジネス枠のいずれも後日補助金としてお金が戻るとはいえ取り組みに必要な元手は自分の手で調達しなければいけません。



小規模事業者持続化補助金の申請締め切りはいつ?


売り上げを伸ばすために小規模事業者持続化補助金を活用したいと考える企業は多いと思います。これまで第1回・2回・3回・4回と公募がありました。2021年4月現在第5回となる公募が開始されており申請締め切りは2021年6月4日となっています。第5回の補助対象期間は交付決定通知書を受け取ってから翌年の3月31日までです。


第6回は2021年の夏頃に公募が開始され申請締め切りは2021年10月1日、補助対象期間は交付決定通知書を受け取ってから翌年の7月31日までの予定です。


第7回は公募の開始時期は未定ですが申請締め切りは2022年2月4日、補助対象期間は交付決定通知書を受け取ってから同年の11月30日までの予定となっています。


また第8回以降も小規模事業者持続化補助金の公募が行われる予定となっていますが、現時点では具体的な日程は未定です。


小規模事業者持続化補助金は元手が必要にはなるものの後日補助金を受け取ることができます。そのため小規模事業者にとっては補助金を活用しながら経営を盤石にするとてもいい機会です。手続きに少し手間は掛かるかもしれませんが申請してみてはいかがでしょうか。



小規模事業者持続化補助金の申請を通すには?


小規模事業者持続化補助金は申請したすべての小規模事業者が受け取ることができるものではありません。とくに新型コロナウイルスの流行の影響で売上が激減した企業が増えるにしたがって申請数も増えたので、2020年は倍率が高くなり申請しても補助金を受け取ることができなかった企業が多数となりました。


小規模事業者持続化補助金の申請を通すためには「現在の経営状況はどうか」「今後の経営計画をどう考えているか」「補助金を利用して何をしたいか」をはっきりさせることが大切です。


まず現在の経営状況を客観的に見た時に強みになる部分は何でしょうか。他の会社に負けない強みをアピールすることによって現在の経営状況に補助金をプラスして改善・向上させる価値をもたせることができます。


次に今後の経営計画は自社の強みを生かして経営目標にもとづいたプランニングができているでしょうか。過去のデータをもとにターゲットとする顧客層を見据えた新製品の開発・販売方法の見直しなど、一貫性を持たせた実現可能な計画を打ち立てる必要があります。


最後に経営計画と重なる部分が多いのですが補助金を利用して何をしたいかを具体的にすることが大切です。小規模事業者は大企業よりもすぐにアイディアを行動に移すことができます。オリジナリティのある利用目的は審査している方の興味をそそることでしょう。自社の強みを生かしながら補助金を有効活用できる使い道をはっきりと分かりやすく提示しましょう。




■まとめ


小規模事業者持続化補助金とは一定の条件に該当する個人事業主や、中小企業といった小規模事業者が補助対象事業となる販路の開拓や生産性の向上、業務の効率化をするための補助金を受け取ることができる制度です。


申請すれば必ず補助金を受け取ることができるのではありません。申請には複数の書類が必要となりますが、その中でも「小規模事業者持続化補助金事業にかかわる申請書」は自社の強みを生かしてオリジナリティのある実現可能な経営計画を分かりやすく書くことが大切です。


用意した書類一式は日本商工会議所に送付し審査に通れば「小規模事業者持続化補助金交付決定通知書」が届きます。補助金を受け取れるのは経営計画書にもとづいた取り組み後、実績報告書を提出して問題がないと判断されてからになります。


補助金は後日受け取るかたちになるので元手は必要となりますが、小規模事業者にとって補助金を利用して普段は手が回らない販路の拡大や生産性の向上・業務の効率化ができるのはこの上ないメリットではないでしょうか。この機会に申請してみることをおすすめします。